ダイヤモンドトレイルの硬さに轟沈(でもまだ前編のみ)
文化の日の代休を含む3連休、これはどこか山へでも行ってみようかと思うところだが、標高の高い山は「11月に入ると冬山になりますので、登山初心者は登山を避けてください」とまでは言っていないが、明らかに超初心者のおっさんは受け付けない雰囲気。
ならば、低山ではあるけれど、「これは今の自分の限界に挑んだのではなかろうか」といえる達成感を与えてくれるのはどこだろうと、酒を飲みながらネットぽちぽち。
ありましたよ、関西にいるならば必須のトレイル。
その名も、ダイヤモンドトレイル。
ダイヤモンドといえば、男の血と汗と涙の結晶を女性の顕示欲のためにわずかばかりの石に変えられてしまうにっくきあいつ。もしくは小学生の時にドハマりした人も多いであろう、キグナスの氷河ってとこでしょうか。(あ、ググってください。正直、私はあまりはまっていませんでしたので…)
きっと、このダイヤモンドトレイルを踏破して得た男の勲章はダイヤモンドさながらにキラキラとして、私はすさまじいオーラを発散し、飲み屋ではモテモテ…(足はすぐ止まるけど、妄想は止まらず)
ということで、3連休の中日を活用して、ダイヤモンドトレイルに挑んでくることとしたのであった。
ダイヤモンドトレイルとは、
ダイヤモンドトレール(通称 ダイトレ)は、金剛葛城山系の稜線を縦走する長距離自然歩道です。
奈良県香芝市の屯鶴峯から、二上山、大和葛城山、金剛山、岩湧山、大阪府和泉市の槇尾山を結ぶコースで、全長約45kmに及びます。出典:大阪府 ダイヤモンドトレール情報(http://www.pref.osaka.lg.jp/minamikawachinm/m_index/r_daitore.html)
二上山標高517m、大和葛城山標高959m、金剛山標高1,125m、岩湧山標高898m。
まぁ、既に六甲山頂も軽々と登ったし、今回は屯鶴峯から槇尾山手前の紀見峠までの30km強だから結構軽々といけるかも、なんて思っていた前日の私よ、人生イージーモードで考える癖もたいがいにしておけ、と山の神様に叱られた1日となりました。
今日のコーデ、いつものeldoreso。
電車でダイヤモンドトレイルに行くには、近鉄南大阪線の二上山駅で降りるのが便利らしいですが、起点の屯鶴峯(「どんづるぼう」と読みます。香芝市にある奇岩の山として地元では意外と有名です...かね?)の石板から始めないとならん、と変な義務感を持って、近鉄大阪線関谷駅からスタート。午前7:30。眠い。
ここから屯鶴峯まで約2.5㎞。住宅街を抜けた後の国道には歩道もまともに整備されておらず(もちろんこんなところを歩いているのは私だけ。って、ダイヤモンドトレイルのスタート地点の最寄だよね?しっかりして香芝市)、すれ違う車に少しおびえつつ、こんなところにトレイルの起点があるのなかと思いながら、まず屯鶴峯の石板を無事発見。これもあらかじめ大阪市のダイヤモンドトレイルの紹介サイトで「起点の石板はどこか?」という記事を見ておかないと見つけられませんでしたよ。ここ、トレイルの出発点と違うし…。単なる屯鶴峯周回の入り口ですよね?
ここから、本当のトレイル起点までは、この歩きにくい国道をもう少し歩いていく必要があります。んで、こちらが本当のトレイル入口。なんか物悲しい感じですね。
歩いてしばらくは結構ごみも落ちていて、ちょっと…という感じでした。
そこからはほとんど人に会うこともなく、とぼとぼと登山道を歩いていくと(登りは走れませんから)、二上山の石板へ。急に舗装された登山道と交わり、ここに来ると早朝登山をされている方に多く会いました。
ここからは、ひたすら林道、丸太階段を上り、軽いアップダウンをこなしながら峠をサクサクと進めて行けます。
関谷駅から7km。竹内峠に着く前の丸太階段急登ですでに軽く足を使ってしまっている。
関谷駅から約10km、平石峠。丸太階段地獄は続き、わずか標高450m付近で腿パンパン。
朝までは「もし紀見峠に着いてまだ余裕あったら槇尾山まで行っちゃおうかな」なんて思ってた自分を猛省。紀見峠だって危ないのではないかと思ってみたり。この時点でまだ出発から2時間半。
しかし、ここからが本当のカッチカチのダイヤモンドトレイルであったことは、当時はまだ知らない。
関谷駅から13.9km、標高700m、持尾辻。スタートから3時間20分。来たことを幾分後悔しはじめているが、実は急登、急降下はここから。
丸太階段の終わりが見えない…。このあたりから階段の途中で立ち止まってしまうことしばし。
もちろんやせ我慢のカメラ笑顔。
マムシ草の実。トリカブトとか猛毒をもった植物の異様な美しさに目がいきがち。女性も悪女にひっかかりがち(いや、そこまでいく度胸もない)
ようやく地獄の階段地獄を抜け、葛城山頂。ダイヤモンドトレイル自体は葛城山頂は通らずに金剛山方面に抜けるのですが、100m階段を昇るだけで山頂に行けるのならばと、山頂に寄り道。
見事なススキの群生と、パラグライダー。これを上空から見たら気持ちいいだろうなぁ。
ここから、まさかの2km程度の距離で400m近く標高を下げる急降下から、距離5㎞で550m急登攀。最後の登りでは、「もういい俺よくやった、金剛山ロープウェーで下山しよう。」と泣き言全開。
完全に足終わっています。
そして、金剛山登山口を息も絶え絶え、登山というより、もはや見苦しくよじ登っている最中、「金剛山ロープウェーは運休しています」の看板。
殺してくれ。もう誰か山頂から蹴飛ばして転げ落ちさせてくれ…。
といいつつ、ダイヤモンドトレイルとしては金剛山頂に寄る必要はないのに、きちんと山頂までの急坂を登って神様にお参りしてくる敬虔さ。「神様、いまから10分だけロープウェーを動かしてください」
金剛山頂13:30。関谷駅出発から6時間。私の足は6時間しか生きられないのです。
山の東側のエスケープルートを通っても、最寄りの駅まで7㎞とか。あげく五條市に着いて、帰宅するまでどんだけかかるんだ...。ということで泣く泣く足を紀見峠方面に進めます。
と、ここからはあまりの急な丸太階段はなし。しかも少し走れるゆるやかな登り下りの道も頻出。あれ?25km動いた後でトレランしてるぞ、俺。
と、思ったら、久留野峠から行者杉まで3.7kmとあるのに、一向に距離が縮まらない。しかもGPS上では4㎞以上はとっくに進んでいるはずなのに、一向に石板見当たらない。これは、もしや意識なく歩いているうちに通り過ごしたか。あー、もう戻る気力もない。やる気失せたなぁ、とモチベーション完全ダウン。
というのも、大阪市のダイヤモンドトレイルキャンペーンにて
ひっそりとこんなのをしていたのです。しかも屯鶴峯の石板は場所説明ありますが、あとの石板は意外と標識のそばにもなくて分かりにくい。2ヶ所ほど完全にスルーして数百メートル戻るようなことをしてしまいました。
ここにきて行者杉石板を探しに戻る気力ゼロ。さらに日没までの時間もあぶない。(途中で、結構スローペースなおばさまソロハイカーなどいたのですが、日没後もあのペースで歩かれたのかなぁ。ある意味山の猛者です)
そんなこんなもはや惰性だけで進み、わずかな階段は一段ごとに左右の足を上げる気力もなくなり、一段ごとに片足上げて反対の足を揃える、右足先を15段したら、左足先を15段、そして一服、というこれまで経験したことのない地獄を抱えてふらふら進んでいたら…。突然開けた場所に東屋、祠とともに、行者杉。え?久留野峠から5kmは進んだのでは?ちゃんと測ってる?
(翌日、YAMAPの活動データで見直したら、この間の距離、3.9㎞でした。すいませんでした)
これで、一気に気力巻き返し、道もだいぶ穏やかな下りになってきたこと、残り距離が1桁キロになって終わりが見えてきたことから、足が復活してきました。俺の中に眠る野獣の魂がむくむくと…(ないものは起きない)
といいつつ、早速の台風の傷跡に怯みながら進むはめになったり。
と、残り3kmくらいか、山道もこれはこれでいいなぁ、なんて思っていたら、突然舗装道に。舗装道結構、膝にきますね、と言いながら、最後の小走り。
無事、日没前、16:40に紀見峠駅に到着。やったよー。
駅前の酒屋でビール買ってベンチに座った瞬間に両足攣って、ここから20分動けずだったよー。泣。
本当は近場で駅近の銭湯に入って、普段なら絶対に行けないような居酒屋で一杯とたくらんでいたのですが、これという駅近の銭湯が見つけられず、すごすごと江坂の自宅に帰って、ひとっ風呂浴びて、一人で江坂秋吉。たまらん。
ここまできたら、12月に紀見峠から槇尾山までトレイルして、石板コンプリート目指します。
月末は、調子に乗ってこんなん申し込んでいるのですが、いけますかね…。